ブランコにゆられて

今日は、こちらのインド系民族のお祭り「タイプーサム」の日でした。

昨日の晩、お月様がまんまるで、

今朝、自分が去年タイプーサムを見に行って書いたKWをあらためて見てみたら、タイプーサムと満月は関係あるらしく、(そういうことだったんかー)と頷いた。

今年は見に行く予定にしていなかったのだけど、午前中、どっかから、お祭りのお香のような匂いが漂ってきて(それがほんとにお祭りの辺りから漂ってきてたのかどうか…気のせいかも)急に去年の祭りの妙な昂揚感がよみがえってくる。香りって不思議。

…あ、やっぱり行こう…。

ただ、昨年は祭りの場所まで徒歩で20分ほどに住んでいたのだけど、引っ越しして遠くなった。

交通規制があるから、車で向かうには不向き。よっしゃ、タイプーサムの修験者よろしく私も歩いて行ってみようかなー、このところ体怠けきってるし、よぅし!と思って、お茶ボトルを持って勇んで家を出てきたが、

結局、いつもいくマーケットを過ぎて、歩道がなくなり車道の脇をとぼとぼ歩いて、小高い丘の上にきて、目的地の半ばに位置するビルをまだまだ遠くに拝んだとき…クラクラしてきて…やっぱ、無理はよそう…と、結局断念。

ときは午前11時、熱帯の日中はそれなりの日差し。

歩道脇を歩いて後ろからバイクが通り過ぎていくたびに、この町でも頻発しているというショルダーバッグをねらわれて、引きずられる事件が頭をよぎる。ま、わたしみたいな頑丈な女をねらうヤカラはまずいないだろうけど、土地の人はまず、こんな道をウォーキングなんてしないから、目立つことはやめておいたほうがよさそう。あの祭りの臨場感をこんなに近くにいて味わえないのは…残念だけど。

ということで、そこでUターンして30分強、歩いて帰ってきた。

近所を歩きまわるということもないので、今日通ってきた道もはじめて通る道。結構大きくて、立派な構えの家が多い。おじいさんが、庭先の2人がけのブランコ(なぜかマレーシアには、個人宅にブランコがある家がとても多い)に座って(寝間着というか、下にサロン(腰巻き)をつけたラク~な姿で揺られている。

いいなあ。

わたしが日本にいた間、この世のかたすみに棲息している間、ここではこんな世界がずっと続いて居たんだな…とか、そんなようなこと思う時間が好きだ。いっつもそんなことばかり考えてるな、私って。子供の時から。

自宅に帰って、ボトルのお茶を一気飲みした。吹き抜けていく風がここちよかった。

ツーリストではない、でもローカルでもない、不思議な立ち位置の私なんだけど、

私にしか感じられない思いを、風に乗せて。

まぁ、こんな日もいいかなあ。

※ブランコおっさんのお家のある住宅街。ときには廃屋もあるけど。(右下)

ブランコにゆられての画像