0:00 am 人が集まるお店の条件とは…

できそこないのキャッチコピーみたいなタイトルですが。

先日、こちら(マレーシア)で替えの蛍光灯一本手に入れるのも東奔西走、みたいなことを日記に書いたのですが。その後日談を書きとめておこうと思いまして。

注文した日、翌日に取りに行くと約束したので、オッサンの(ガラ悪いですね…でもそう呼んでるものでして…汗)店に出かけますとオッサンは不在でオカミさんが一人で切り盛りしてました。

私は店の横に車をとめて、息子にお金を握らせてオカミさんのとこに走らせたのです。当然、すでに商品が店にあるはずと思って。

前日に「これがほしいんだけど…」と言った私にオッサンは今在庫がないけど仕入れてくるから「一時間後に来い」と言ったんですが

「昨日仕入れ先に行ったんだけど、見つけることができなかった」とオカミさんはいいまして。

私の連絡先を教えてくれ、入荷したら知らせる、とのことでした。

そうかーなかなか手に入らないね~やっぱり。ふぅーーー。

いろんな店に、切れた蛍光灯を持っていって「これがほしい」と見せると即答で、「ない」と言われ続けたので、慣れっこになってました。

なきゃないで、いいかー、という気持ちになってた私なので、がっかりすることもなく、連絡先をオカミさんに教えて、次の目的地である郵便局へと車を走らせました。もちろん車の中では、息子と「昨日、『一時間後に来い』って言ってたのにね。昨日一時間後に行かなくてよかったね」とか言い合いましたけどね。

ほんの10分後、郵便局に着いたところで、電話がなり、助手席の息子に取らせますと、相手はさきほどの店の店主(オッサン)からで、目当ての物が手に入ったとの連絡でした。

お~。すばらしい。とたかだか蛍光灯一本が見つかっただけで、そのような気持ちになりました。

(実に去年の10月くらいからあちこちの店をのぞき探し続けてたもので)

郵便局での用事を済ませて、再び、店の前にすべりこみますと、変わらずオッサンの姿はないのですが、オカミさん一人で、たくさんの客の対応に追われていました。間口大人2人が腰掛ける(ムリヤリ)くらいの、商品がいつからそういう状態になってるのか、お世辞にも片付いてるとは言えない傾きかけた店なのですが…お客はひっきりなしに訪れるのです。私が路駐したすぐぴったり後ろにつけた車の人も、ご用のようです。

うわーオカミさんたいへんやなあー(オッサンの姿がないので)と思いながら、息子に取りにいかせました。息子は、ついでに調子に乗って「オキシライド(長持ちするけどちょっと高級な電池)がほしい」と言い出し、私はいつもならそんなもの要らない、と一喝するのですが、今回は「待てよ…このオッサン&オカミさんのところだったら、そのくらい買わせてもらおうかしら…」という気持ちになりました。

息子が蛍光灯とオキシライドを手に入れて車に戻ってきて言うには、「おばちゃんは、オキシライドじゃなくて、こっちの違うのにしたら?」と別の電池を奨めたのだというのです。オキシライドより高い電池を奨められたのか?ここ(マレーシア)にオキシライドよりグレードの高い電池ってあるのか?(見たことない)…とまで思った私でしたが、よく話を聞いてみると早とちりで、オカミさんは息子にオキシライドみたいに値段の高い電池じゃなくて、もっと普通のグレードの安い電池を「こっちのが安いよ」と奨めたのだそうな。

なんか感動しちゃって。

そうだ、たしかにそうだ。オカミさんがそこまで思ったかどうかは知らないけど、オキシライドなんていい電池じゃなくていいんだもん。(ランニングコスト的には得かもしれないけどさ)どうせラジコンとかに使うんだもの。

ながながと(また)書きましたが、このお店、…なんつーか魅力的なのです。

オッサン無愛想だし、ギョロ目で眼光鋭い感じだし、ハゲてるくせに小さいポニーテイル作ってるし。(ってそれは関係ないけど)はじめて探し物に来たとき(やはり他で見つからない電球を探しに行った)緊張してしどろもどろになっちゃった私だ。

けど頼りになるし、信用もできる、高い物をすすめることもしない…ニクいじゃないですか。

風水でいえば、いいお店の条件にかなってるとは思えないけど。(片付いてないし、ごちゃごちゃしてるし)でもそんなお店でも人が常に集まってて、常に循環してる空気。オッサンは商品をよく知ってるし。なんとかしてくれるって好感がもてる。オッサンだけじゃなくてオカミさんも実にいい働き手だ。専門家だ。

これぞ本来の意味での「お店」ではないのか。って、マイペースでしか働かない、日本人のようにまじめには働かないと言われるマレーシアの中にあるわけで、しゃかりきに働いてるわけでは無論ないし(たいてい店先で客?とkopi(こちらでいうところのコーヒー)飲んだり、指がやけどするっちゅうくらいにチビた煙草を吸っている)、儲かっているはずもないけど、「客によろこばれる店」の原点を見た気がしたの。

商売って(と語る資格はわたしにゃ皆無だけど)いつの時代も易しくはない、ましていろいろなものが高騰してさらにやりにくいだろう。でも結局、お客さんが単純に喜べて、はじめて仕事って生きてくるんじゃないのかな。

ふっと思ったのだけど「どうやったら人より儲かるか」「どうやったら金が儲かるか」そういう話はやたらよく聞くんだけど、それで儲かるのが「成功」ってやつなのかな。もちろんお金は儲からないよりは儲かった方がいいけどさ。でもそういうことばかり語られるのはつまらなくはないか。

商売って言っても、「店」だけじゃない、「会社」や「サービス」それに「人付き合い」にだっておなじことが言えないか。

「お得意様」とか「大事な人」って接してもらえる、きちんと対応してもらえることが、いちばんうれしいことじゃないかなーと…思うのでして。

蛍光灯一本あなどれないですわー。

私は今まで電池はスーパーのレジ周りなんかに置いてあるの買ってたんですが、

これからはできるだけ、あのオッサンの店に立ち寄って買うことにしたいと思ったのでした。

(いや、実際、あの店の辺り、ついで、もないし不便なんだけどね)でもそういう気持ちになった自分もうれしくてさ。たとえスーパーの方が安かったとしてもさ、オッサンを応援したいではないか。

まー今無職のわたしが偉そうに言えた話ではないのですが…わたしも何か、生業を探したいと思ったよ。うむ。

※このお店の写真、車を路駐してる間に「チャーンス!撮~ろう!」と思ったのですが…そういうときに限って、カメラを持っていませんでした。助っ人といるときでないと撮れないのに、あぁ、残念。

※(後追記)これがその蛍光灯だっ!表記はこれだけ。「純三基 17W」…(品番なし)

…商品管理しずらいだろうて…

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