1:10 am

あの人の 鼻の形がすきだった

あの人の 耳の形がすきだった

あの人の 顔の形がすきだった

あの人の 口の形がすきだった 

あの人の 額の形がすきだった

あの人の 顔をさわるとき

あの人の 髪をなでるとき

大人の女になるのだった それは 母のような どこまでも深い気持ちにも似て 狂おしく

それなのに

あの人の すべっとした足のつま先とぶつかるとき

少女のような 笑みを浮かべてしまうのだった