しょうゆの味

夕飯を作りながらふと。

いつも日本食材店で醤油を買っていたのだけど

あるとき、そこらへんのスーパーでも買えるキッコーマンの醤油を買ってみた。

ただし、日本に売ってるキッコーマンとは似て非なるもので、海外市場向けのものらしい。

関空で知った)

はじめて買ってみて、使ってみて

「うっ!これか!」と唸った。

こちらの日本食レストラン(まともに日本人がシェフだったりするところでも)

出される醤油はこの味がほとんどじゃないかな。なぜって客は日本人ばかりではないですもん。手に入りやすい醤油の方がコストも安いしね。現実的な理由ですよ。

刺身を食べるとき、これが出てくるとさすがに…!この醤油じゃないやつをお願い、と言ったらたまりが小皿で出てくる店もある。

で、

その醤油のボトルを買ってしまった。味付けをどう苦心したって、思っている風味にならない、これは参ったなあーとは思ったけど

まあ、そもそも料理にこだわりがある人ではない。

使い切ったら、もう買わないようにすればいいさ、と思った。

そろそろ醤油が切れそうだ。今度は日本食材店で、小豆島のしょうゆ、とかいうのを仕入れてきた。これで一安心。日本人に醤油は欠かせないのだ。…でもまだ開封していない。あともうちょっと、キッコーマン使い切ってから…

今日、ハスと人参のきんぴらを作りながら、ハッ!と気づいた。

この醤油の味に慣れてしまっていることを。たしかにできあがりがやけに甘ったるい。でも、すでに抵抗なく、「さぁ食べよーか」とか思っている自分がいる。

私の元々の味覚が不出来なせいかもしれない。

けど、人って慣れてしまうものだ。あれほど、こんなもん違う!とがっかりしたにもかかわらず。

ひどいひどい、といいながらも、しょうゆ一本使い切るまでに。

知らず知らずによい方に慣れるのならいいんだけど

よくない方に慣れてしまうのは、嫌だなあ。流されていくのは嫌だ。

味覚だけじゃないんじゃない?気づいたほうがいいこと、たくさんあるんじゃない?

自分でも知らないうちに、自分が変わってしまっているってこと、あるんじゃない?

(追記)

「しょうゆ」って私たち日本人にとっては、日本オリジンのものだと思っているけれど、

中国をはじめ、アジア各地世界各地にいろんな素材、作り方、のしょうゆのようなソースが存在していて、「これが本物の醤油だ」というものは、その人によって違うと思う。(日本の中でも地域によって使う醤油は違ったものだし)だから海外で出会った醤油の味が自分の思う味と違うというのは、ある意味当たり前なのかも知れない。(もちろんキッコーマンの醤油なのに味が違うのはうろたえるが)和食をこしらえるときは、日本の醤油、なのはいうまでもありませんが。ふと思ったので付け加えておきます。Soy sauce  醤油wikipedia

※画像 もうじき使い終わる醤油。ラベルが汚れています。失敬。

しょうゆの味の画像