いま

仕事帰り、家路を急ぐ郊外へとむかう電車のなか。(例によって女子の特権女性専用列車)

運良く座れて、助かった。さっきまで腕がちんぎれそうだった。ただでさえ、荷物の多い私だが、551の豚まんと、息子のリクエストのジャンプとコーラまでエコバッグには入ってる。それらを抱えて座ってる。(ほのかに551の薫りを漂わせ)

そんな私の隣の席の女子は、どうやら私の遠い後輩。というのもかつて私も着た制服姿で。豪快に舟を漕いでいて色気のかけらもない女子だが、ま、私も人のことはいえまい。いま、ようやく現実の世界に戻り、自分の駅に降りてった。このあたりから通うには、ざっと三都物語、舟を漕ぐほど疲れてもさもありなん。それに制服姿ということは、きっと就活か、なにか必要に迫られてのことだろう。

そういえば、あの学校に、私が最初に勤めた会社の就職データを就活室に収めたら、翌年それをみた後輩が入社して後年、私の同期の男子と結婚したときいた。…人知れず、人の人生の橋渡しをしていたらしい?そんな事実。とうの私は、満二年を待たず転職して、その後、思えばその会社のだれとも音信不通だ。

さて制服の話に戻るが、あの制服の頃より、体重が●0kg増えた私さ。なにがあったのさ!?

いろんなことがあったのさ…。ほんとにいろいろ変わったかも。と今ごろ我に返るよ。まるでまったくひとごとのよう。

さて、これからどういたしましょう。まずは自分の駅に着いた。とぼとぼ歩いて帰ります。あの日にゃ帰れませんけど、べつに悲しいわけでもありません。思ってもいなかった風景に身を置くこともまた佳きかな、と淡々と思っていることものごろです。

ふしぎとまっくらな道もこわくありません。